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- 《周辺の音楽》2019年度 -









▇「《周辺の音楽》2019年度 」

▇概要
 企画《周辺の音楽》は、毎回一人/一組に焦点をあて、普段は見えにくいゲスト独自の視点を掘り下げ紹介していくトークイベントです。2017年11月に第一回目となる「周辺の音楽 -作曲家・福島諭の場合 入門編-」が行われたのち、2018年は福島諭+福島麗秋、PAL、池田泰教の活動をのべ六回に渡り紹介してきました。
 今年度はTangent Design Inc.のプロダクティブな立体造形制作について、電子音楽家の田口雅之さんの音楽の秘密について、そして2006年より新潟でExperimental Roomsを主催しておられる星野真人さんの活動について、3組のそれぞれの視点にフォーカスします。
 嘗て思想家/美学者の柳宗悦は"見る前に知を働かす者は、美への全き理解を得ることが出来ぬ。茶人達は何よりも先ず見たのである。物そのものを直ちに見たのである。"(※1)と綴っています。茶人の審美眼について書かれた一節ですが、翻ってそのような姿勢を音楽に対して持つことは可能であろうかとも考えさせられます。"全きものは部分の総和ではない。「加」と「全」とは違ふ"(※2)、一見これはとても謎めいた言葉のように感じます。音楽を直(ぢか)に聴くことは可能でしょうか。
 私はこれまでの音楽の作曲経験の中で、「音/時間の構造」に確かに触れたと感じることがあります。この構造物が発端となり、一方では実際に演奏され曲となり、もう一方では楽譜となり定着されるのです。しかしこれらはいずれも、作曲行為の中で形成されたその「音/時間の構造」そのもの直(ぢか)の現れでは無いように感じます。そして、現段階ではこの分裂した状態を今後も解決できないのではないか、と感じています。
 しかしながら、この創作行為の「逆」を辿ることに、音楽を直(ぢか)に聴くことへのヒントはないでしょうか。一見複雑に思えますが、経験的には単純な話です。あるひとつの経験を通過することから、最終的に時間を内包した構造物として、肌理として、あるいは設計図として何かが捉えられること。普通人はそれを「心に何かが残った」と言うかもしれません。それがもし何らかの美しさと関係するならば、やがて生成の種となり、それは次なる創造へと繋がります。
 このような視点に立つことで、少なくとも私は全てのモノには音楽が宿っていると考えます。所謂「音楽」は勿論のこと、一般的には音楽とは遠い所に存在していると考えられるモノの中にも、強く音楽的な本質と繋がる部分の存在が認められる、そのような存在のあり方を信じ得るということです。それらはいつも私達の傍らに、周辺に花咲いているのです。
(Nov.01-04,2019 福島諭)


※1:柳宗悦『 柳宗悦選集第六巻 茶と美 』春秋社 より 「茶道を想ふ」p3
※2:同上


▇日程
2019年
11月16日(土)- タンジェントデザインの視点 -(出演:Tangent Design Inc. (高橋悠 + 高橋香苗)/福島諭)会場01
11月17日(日)- タンジェントデザインの視点 -(出演:Tangent Design Inc. (高橋悠 + 高橋香苗)/福島諭)会場02

12月21日(土)- 田口雅之の音楽 シンセサイズと組織法 -(出演:田口雅之/福島諭)会場01
12月22日(日)- 田口雅之の音楽 シンセサイズと組織法 -(出演:田口雅之/福島諭)会場02

2020年
2020年2月08日(土) - 星野真人 experimental rooms -(出演:星野真人/福島諭)会場01
->開催時間が変更となりました。(15:00 OPEN 15:30 START)
2020年2月29日(土) - 星野真人 experimental rooms -(出演:星野真人/福島諭)会場02
->通常開催時間です。(17:30 OPEN 18:00 START)

▇料金
各回1,500円

▇時間
各回 17:30 OPEN 18:00 START
(但し2020年2月8日のみ 15:00 OPEN 15:30 START)

▇会場
会場01:蔵織(〒951-8062 新潟県新潟市中央区西堀前通1-700)
会場02:Gallery 3+4 Creative(〒957-0056 新潟県 新発田市大栄町1丁目6-13)

▇主催・後援・問い合わせ
主催 : Gallery 3+4 Creative
後援 : 日本電子音楽協会, G.F.G.S.Label
問い合わせ:info(at)shimaf.com



▇出演者 profile

□デザイン・アートユニット
高橋 悠 + 高橋 香苗 (Tangent Design Inc.) / Yu Takahashi + Kanae Takahashi (Tangent Design Inc.)
新潟大学大学院美術科修了。人や物、出来事がもともと備えた魅力を表出させることをコンセプトに、2005年よりデザイン・アートユニット活動を開始。雑貨、工具、照明などのプロダクトデザインを手掛け、これまでにグッドデザイン賞、レッドドットデザイン賞などを受賞。一方、「うちのDEアート」「水と土の芸術祭」「文化庁メディア芸術祭新潟展」などでインスタレーション作品を展開。


□電子音楽家
田口 雅之 / Masayuki Taguchi
新潟市在住の電子音楽家。日本電子音楽協会会員。デジタル音響合成を駆使した音作りと、アルゴリズムによって生み出される音律、旋律、リズムを組み合わせることで、新たな音楽領域の実現を図る。
2005年に新潟大学教育人間科学部・芸術環境創造課程を卒業。その後は独自の音楽活動に加え、音空間創造プロジェクト、ANTI MUSIC、ハコラズモなどのグループでの創作活動や、新潟市水と土の芸術祭('09,'12,'15)、中之条ビエンナーレ('11)、徳島LEDアートフェスティバル('13)などの芸術祭に参加。また、ダンスや演劇、映像作品、インスタレーションへの楽曲提供を行う。
近年は音響映像作品の制作にも取り組んでおり、2015年には新潟市民映画館シネ・ウインドにて音響映像作品の上映会「Audio-Visual 共感覚のライフワーク」を主催、自身も作品を発表。また、2016年には手塚眞監督、松崎友紀主演の短編映画「OKUAGA」の音楽を担当した。
2019年8月、新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ能楽堂で開催された第22回日本電子音楽協会定期演奏会に出演し、電子音響とジェネラティブアートによる作品「Caldera(カルデラ)」を発表した。
_https://www.tgcmsyk.info


□experimental rooms主催
星野 真人 / Masato Hoshino
新潟在住の音楽愛好家。10代の頃よりバンド活動を行い上京・都内各所でライヴを行う。東京でのバンド活動後、帰郷と同時期より音楽誌クッキーシーンにコントリビューターとして加わる。国内外アーティストへのインタビューやレビュー、コラムなどを執筆。本誌の他にCDのライナーノーツ、作品コメント、ガイドブックへの寄稿など音楽ライターとしての活動も行っている。2006年より地元新潟に新しい音楽に触れるきっかけになればという思いから音楽イベント・シリーズを主催するexperimental roomsを始動。音楽ジャンルや有名無名を問わない先鋭的な国内外と地元のアーティストの共演、有形文化財や寺院などの様々な会場設定、県内外のお客様からなる一期一会の「実験の場 (=エクスペリメンタル・ルーム)」を繰り返し創り、これまでに30回の開催を記録している。
_http://www.experimentalrooms.com/



□作曲家
福島 諭 / Satoshi Fukushima
_www.shimaf.com/